top of page

2026年10月、三重県の最低賃金が1,143円に~今すぐ確認したい実務対応

10月1日
読了時間: 4分

10月は全国的に最低賃金が改定される時期です。三重県内で事業を営む皆さまにとっても、毎年欠かせない確認事項かと思います。今回は三重県の最低賃金改定を中心に、実務上の注意点を整理します。



三重県の最低賃金は1,143円へ(56円・5.15%の引き上げ)

三重県最低賃金は、2026年10月1日から時間額1,143円に改定されます。現行の1,087円から56円の引き上げ(引き上げ率5.15%)で、三重労働局長が2026年9月1日に官報公示を行い、正式に決定しました(出典:三重労働局「10月1日から最低賃金が時間額1,143円になります!」)。



全国的な動きとの位置づけ

2026年度の地域別最低賃金は、全国的にも大きな引き上げとなりました。三重県の56円という上げ幅は、2026年7月28日に第75回中央最低賃金審議会が示した引き上げ目安(Aランク54円、Bランク56円、Cランク56円)と同額です(出典:厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について」2026年7月28日)。この目安の時点では、目安どおりに全都道府県で改定された場合の全国加重平均は、現在の1,121円から1,176円(上昇額55円、上昇率4.9%)と試算されていました(出典:同上)。


参考:引き上げ額のイメージ 56円の引き上げは小さく見えるかもしれませんが、勤務時間に応じて影響は積み重なります。たとえば月160時間勤務の場合、56円×160時間=月8,960円、年間では107,520円の賃金増となります(三重労働局が公表した確定金額に基づく単純計算。社会保険料・税金等を控除する前の概算です)。時間数はあくまで一例のため、実際の所定労働時間に置き換えて試算・案内することをお勧めします。



実務担当者が確認すべきポイント

① 対象者と適用開始日

最低賃金は、最低賃金法第4条に基づき、雇用形態(正社員・パート・アルバイト・契約社員等)や国籍を問わず、三重県内で働くすべての労働者に適用されます。適用開始日は「支払日」ではなく「労働日」が基準になる点に注意が必要です。つまり、10月1日以降に実際に働いた分の賃金から、新しい最低賃金額以上を支払う必要があります。


② 月給制・日給制の場合は時間額への換算が必要

最低賃金は時間額で定められているため、月給制や日給制の労働者についても、以下の計算式で時間額に換算して確認する必要があります。

  • 月給制:月給 ÷ 1か月の平均所定労働時間数(月によって所定労働時間数が異なる場合は、年間の月平均所定労働時間数)

  • 日給制:日給 ÷ 1日の所定労働時間数


③ 比較対象から除外される賃金がある

最低賃金額と比較する際は、実際に支払われる賃金のうち、以下の賃金は算定の基礎から除外されます(出典:最低賃金法第4条第3項・同法施行規則第1条に基づく全国共通のルールで、各都道府県労働局が公表する「最低賃金額と実際に支払われている賃金との比較方法」等の説明資料で解説されています)。

  • 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

  • 時間外、休日及び深夜割増賃金

  • 臨時に支払われる賃金

  • 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)

基本給に加えてこれらの手当を支給している場合、額面の総支給額が最低賃金を上回っていても、比較計算上は最低賃金を下回っているケースがあるため注意が必要です。


④ 特定(産業別)最低賃金との比較

三重県には、電線・ケーブル製造業など特定の産業を対象とした「特定(産業別)最低賃金」も別途定められています。地域別最低賃金と特定(産業別)最低賃金の両方が適用される場合は、高い方の金額以上を支払う必要があります。該当する業種の事業者は、自社に適用される特定最低賃金の最新額もあわせて確認しておく必要があります。



違反した場合の罰則

地域別最低賃金額以上の賃金を支払わなかった使用者は、50万円以下の罰金に処せられる可能性があります(最低賃金法第4条第1項、第40条)。実際に、賃金不払いの疑いで書類送検される事例も発生しています。

なお、特定(産業別)最低賃金が適用される労働者について、地域別最低賃金額は満たしているものの特定最低賃金額を下回っている場合は、労働基準法第120条により30万円以下の罰金となるなど、適用される最低賃金の種類によって根拠条文が異なります。



まとめのワンポイント

10月1日の適用開始をうけて、次の点を早めに点検しておくことをお勧めします。


  • 現在の時給・月給・日給を時間額に換算し、新しい最低賃金額を下回っていないか

  • 求人票・雇用契約書・就業規則(賃金規程)に記載している賃金額が最低賃金以上になっているか

  • 試用期間中の労働者、パート・アルバイト、外国人労働者・技能実習生など、すべての雇用形態が対象になっているか

  • 自社の事業が特定(産業別)最低賃金の対象業種に該当していないか


最低賃金の引き上げは、社会保険料(標準報酬月額)や、扶養の範囲内で働くパート従業員の労働時間管理にも影響することがあります。改定にあわせて、労務管理全体を見直すよいタイミングとしてご案内いただくのもよいかと思います。




 
 
 

コメント


bottom of page